親へのカムアウト 〜2〜

重い話が続いていますが、まぁそれは俺の過去も踏まえてのことなので(汗。
これからが本番です。親へのカムアウト。
俺のカムアウトは病気の告白から始まったので、
もしかすると普通のカムアウトと若干ニュアンスが違ってくるかもしれませんが
受け入れてもらうということは同じだと思います。
俺がこのときカムアウトしたのは母親と、姉でした。

姉は腐女子だったので受け入れてくれるのは早かったんですが
母親はやっぱりいろいろと難しい面があります。
今もその駆け引きというか、親心を親身に感じています。
母親が持ってきた継続医療の保険証。
なんて言えばいいのか、俺はさっぱり判らなかった。
だが、ここで黙っていれば母の問い詰めも激しくなるし、心配をかける。
だったら話したほうがいいのかも・・・ でもどこから??

母親の追及をのらりくらりとかわしていると姉が母親の援護に入ってきた。
厄介だ・・・( ̄_ ̄ii)
とてつもなく厄介で、追求の手も休めてくれない状態。
俺は重い口を開き、通っている病院のことを話し始めた。
行っている病院は前務めていた会社近くにある病院。
科目は心療内科。病名は【対人接触恐怖症】。発祥時期は推定、高校2年のころ。
それを落ち着いて話していくが、母親は【心療内科=精神科】という風に取り
【そんな頭がおかしくなるように育てた覚えは無い!なぜ通っている!原因は!】と俺に詰め寄る。
精神科に通う人は頭のおかしい人が通う場所。そう決め付ける母の目は俺を奇人扱いしていた。
俺はどこまで話せばいいのか判らなかったが、もうこれは全て話さないと収集が付かないと判断し
高校1年の時に男性の恋人が出来たこと。
それは2つ上の先輩で、夏休みが明けた9月1日に彼の死を知ったこと。
そこで心が壊れて自暴自棄になって1年間荒れた生活を送っていたこと。
そしてこの病気になる切っ掛けの事件が起きたこと。
その話を聞いていた母親は、終始無言だった。だが、事件とは何か?という問い。
やっぱりそこを突いてくるかと思ったが、最後まで話そうと決意し、
高校2年のときに起きたことを話し始めた。

それは学校帰りに何時もどおり繁華街を一人で歩いたいた。
少し暗がりのトンネルに差し掛かったとき、俺は突然後ろから羽交い絞めにされ
そのまま人の来ない工事現場みたいなところに引き込まれた。
抵抗をするが首元に冷たいものを感じ、俺は抵抗をするのをやめた。
押し倒してきた男は俺を弄び、辱めた。
なんとか生きて家に帰るも、俺はそのショックで記憶を無くしていた。
だが俺のことを心配する家族はいなかった。
というよりも、俺のその変化に気付く人さえ居ないのだ。
両親は自営で一生懸命夜遅くまで働いていたし、姉も高校へ行っていて帰りは遅い。
俺は一人、呆然としていたのだ。
それから高校を卒業するまで俺はクラスの友達と口を利くこともなく
ただ保育園からの友であるジュンの記憶があったため、俺はジュンとだけは話をしていた。

それから専門に入り自分がゲイだと自覚し、
ジュンにカムアウトして裏切られ回りはもう知っていることをつげ
社会人になり一人暮らしをしてこの病気を自覚し、病気と向き合うことに決意したこと。
それらを一気に母親と姉に話した。

姉と母親は席を立ち、ドア1枚隔てた場所で2人で泣いていた。
「Shinichiにそんなことがあったなんて、私知らなかった。気付いてあげれなかった…」
泣きながら母親にそう話す姉の声が聞こえた。
母親は「私だって同じ。。。 」と姉を慰めていた。

戻ってきたのは母親一人だった。
「どうしてそれを今まで話してくれなかったの?」と、俺に聞く母親。
「言えるはず無いでしょ?息子が【対人接触恐怖症】で【記憶障害】があって【ゲイ】だなんて
 そんなこといつ言えばいいの?どうやって言えばよかったの?」
俺は泣いていた。母親も泣いていた。
「ごめんね・・・ 高校のとき気付いてあげれなくて、ごめんね」
そう泣いていた母親は俺を抱きしめた。
生まれて初めて、抱きしめてくれた母親。
「初めてだよね・・・ こうやって抱きしめてくれたのって」そう言うと、母親は
「本当に忘れているの?記憶が無いの?なんども貴方を抱きしめてたのよ」と涙ながらに言っていた。

25歳、冬。
それは今でも忘れることの出来ない母親へのカミングアウトだった。


それからというもの、俺は今まで通り対人接触恐怖症と記憶障害を治すため病院に通い、
家に戻ってきてから今までの時間を埋めるかのように母親と話をし、
押入れの中に眠っていた写真を整理して記憶を蘇らせる事をしていた。
母親とは家族の思い出のある場所に2人で行き、記憶が無いことに俺が涙すると
「これからまた家族の思い出を作りましょ」と、泣きながら言ってくれた。

26歳、夏。
誕生日の日に俺は自分の会社を設立。借金まみれの教室を開いた。
そしてちょうど同じ頃、対人接触恐怖症が完治した。
それは突然のことで、どんな治療が良かったのかさっぱり判らないままだった。
心療内科へは仕事が忙しくなり通うことが出来なくなっていた。
なのに完治して俺は驚いたが、母親は喜んでいた。

そして母親に「この調子で記憶障害と同性愛が治るといいね」と俺に言ってきた。
記憶障害は別にいいとして、同性愛はどうかと・・・(;一_一)
と、俺が言うと なぜ? という問いかけが返ってくる。
どうやら俺の【奇怪的な病気】全ての原因は高校の頃の事件で、
同性愛もそれが原因だと思っているようだった。
俺はそれは違うよ、と母親に話すが、納得してくれない。
この病気になる前から俺は男性が好きだったし、高校1年の頃には彼氏がいたし…
と、理由も話すがやっぱり納得してくれない(;一_一)コマッタ

28歳、秋。
記憶障害についても殆どの記憶が蘇る。
ゲイ友もそんな俺を見て「やっとまともな人間になってきたねw」なんて笑う。
もちろん俺自身もその実感が沸いてきて新たな恋でもしてみたいなぁって笑う。

だが思わぬところで歯止めが掛かるような出来事が起きる。
俺と連絡を取らなくなった地元の友達の両親が経営する店に父親が行ったときのこと。
友達は結婚し、1児のパパになっていた。
その赤ちゃんがお店にいて、おばさんが面倒を見ていたそうだ。
そこへ父親が行き、「可愛い赤ちゃんですね」なんてことを言ったらしいく、その返事にオバサンは
「お宅のShinichi君はまだ結婚されないの?」という会話になった。
父親は「まだまだうちの子は・・・」と返事をするとおばさんは
「あ、そうよね。Shinichiくんはアレだものね。ごめんなさい」と言われたようだった。
父親はショックを受け、そのことを姉に話したそうだ。

俺はその話を姉から聞き、俺もショックを受けた。
自分が撒いた種とはいえ、俺の知らないところで他人と両親がそのことで会話する。
そのショックは計り知れないだろう。
特に父親は、俺は直接父親にカムアウトしていない。
母親からそういう事実があったことを伝えられているだけに過ぎないし
受け入れることなんて出来ないんだろうと思う。

対人接触恐怖症も記憶障害も克服し
両親も喜んでいたところに息子がゲイである現実を突きつけられる。
両親の中には自分たちには孫の顔を見ることが出来ないという現実を知り
さらには俺がゲイバッシングを受けながら仕事をしていたこと
地元友達から裏切られたことをいろいろな方面から聞くことになりる。

それは病気以上の衝撃。
ゲイとして生きることの大変さを両親は知ったのだ。
俺はそれでもかまわないしどんなバッシングにも耐えれる心とすべを身につけた。
だが、両親にとってそれは心配の種でしかない。

俺と母親は幾度となく話をした。
結婚について、世間について。
偽装結婚でもいい、とにかく一度は結婚して欲しい。
結婚さえすればバッシングを受けることも無いだろうという思い。
そして自分たちの保身にもそれは繋がる。
俺の軽率な地元友へのカミングアウトが起こした世間への体裁をつくろう考えだった。

でもそれは両親が俺へ向ける愛情の現われでもある。




両親へのカミングアウト。
次の記事が最後になると思います。
両親への心のケア、そして、絆。
俺は『自分らしく生きること』が両親へ向けての心のケアだと思っています。
恋愛についても友達についてももう隠さないで全てを話すこと。
どんな人間関係を築いてきたのか、そういったものを話すこと。
そして、俺が今、幸せであること。
幼い頃に感じた「親への不親愛」は間違いであったこと。

今、俺たち家族は昔すれ違って過ごせなかった家族の時間を大切にしています。
思い出せない記憶は今から作ればいい。
そう思いながら家族の大切な時間を過ごしています。

俺の記事は少し特殊な過去のお陰か、カムアウトの仕方も特殊です。
だけど、最後のカムアウトの記事は、カムアウト後の家族とどう過ごしてきたか
そういったものが伝わればと思います。
心のケアは両親の心のケアも大切だけど、自分の心のケアも大切です。
 
コメント

No title

はじめまして。最近、shinichiさんのブログに出くわしました。そして、カムアウトのブログを読んで、俺は、shinichiさんを抱きしめたくなりました。これからも、応援します。

kengoさんへ

はじめまして!kengoさん。
cocoronagomuにお越しいただき、ありがとうございます。
最近はカムアウトの記事ばかりでかなり重い内容ですがこれからもどうぞよろしくおねがいします!
俺を抱きしめたくなりましたって言っていただけて嬉しいです。
何時か、抱きしめに来てくださいねwww(*^_^*)

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○さんへ

コメント有り難うです!
俺のありのまま。。 ですか?
このblogすべてが俺ではありませんが、
これからも飾らず強がらず生きていきます。
そんな姿をこのblogから見て取っていただければと思います。
どうぞこれからもよろしくおねがいします。
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